• 村田真生

独立起業し経営者になると起こる15の真実


独立起業し経営者になると起こる15の真実

村田です。


ここ最近、以前より増して独立・起業を目指す方が増えているように感じます。

私の周りでも、年収500万〜1000万円を稼いでいる友人が「自分でやればその3倍〜5倍は貰える」ということで「割に合っていない」ことを理由に独立を考えるケースがあります。


サラリーマンからの独立起業ではこのようなケースがとても多いのですが、実際には「独立して自分でやれば年収が増える」という考えからの独立は、実は失敗のもとです!

これで失敗し、会社員に逆戻りする方があまりにも多いです。


私のこれまでの経営者としての経験則にもとづく持論ですが、世の中に存在するビジネスサービスの99%が嘘かハッタリだと思っています。真っ当かつ本当に優れたビジネスサービスは1%以下しかないと思います。

それぐらい、ビジネスの世界には多くのトラップが存在します。


会社は、それらの様々なトラップ・リスクから会社・従業員を守りながら、利益を安定的に生み出し続けるための仕組みを作っています。

そこにどれだけの知見・労力・コストをかけているかを理解しないまま「自分がした仕事で生み出した利益は全て自分の力で生まれたもの」と勘違いしてしまい「自分でやれば今は年収1000万円なのが3000万円、5000万円取れるようになる」というのは大きな間違いです。

会社員として年収が1000万円であれば、独立すれば年収は500万円以下になります。あるいは1円も取れなくなるという現実が待っています。


また、成長ベンチャー企業の執行役員、大手企業の事業部長、世界的企業の日本支社長など、見るからにエリートのような方々が独立起業後に様々なトラップに掛かり、倒産の危機に瀕した、あるいは会社を潰しています。

エリートの方々ほど「自分は優秀」というように自己評価が高く、周囲に諫める人も少ないため、創業経営者(全ての選択権を持つ立場)になった途端、足下を救われます。


会社には「ヒト・モノ・カネ」が重要であるとよく言われますが、もっと具体的に踏み込むと、事業を安全に展開する上で特に重要なのは「優良取引、財・税務、法務」の3つだと思います。

いかに良い製品・サービスを作ったところで、この3つの内1つでも欠陥があれば、会社はいとも簡単に崩壊します。


「優良取引」とは、優れた品格・社会貢献性・コンプライアンス意識を持った顧客及び仕入先とお付き合いをすること。

「財・税務」とは、筋肉質で危なげない財務基盤の維持とグレーでない正しい節税をすること。

「法務」とは、コンプライアンスを徹底し、契約や経営上のリスクヘッジをすること。


これらが長期的発展に欠かすことのできない要素だと思います。これら無しに、運良く急成長などしてしまうと急転直下の没落は目に見えています。

優れたリスクヘッジ要員や経営のメンターをつけることで、経営上のリスクは大きく軽減されます。


さて、ここから先は会社員の方が独立起業する前に知っていただきたい、独立起業し経営者になると起こる様々なリスク・デメリットを本邦初公開します。




|独立起業し経営者になると起こる15の真実


1.信用はリセットされる 与信はあなた自身の実績×会社の実績。あなた個人の実績や信用があっても、会社の実績・信用が0であれば評価も0、取引してもらえません。


2.クレジットカードや居住賃貸等の審査が厳しくなる 会社員のほうが実は信用は遥かに上です。


3.社会的に守られなくなる 例えば、倒産しても失業保険を貰うことができません(※例外あり)。 もちろん、労働基準法の概念・適用もありません。 また、会社経営がピンチでも、自分より従業員の雇用や給与を優先させる必要があります(国は労働者の権利を守ります※「労働審判」を参照)。


4.本当に軌道に乗るまでには5年以上はかかる その間は四六時中仕事と学びに集中する必要があります(学びは常に必要)。 売上が立たず、会社のお金で食べれなくても、副業してでも会社を支え(赤字を補填し)軌道に乗せていく強い忍耐力が必要です。 また、経営は生き物であり、いかなる時期ものんびり休む暇はありません。


5.最初に立てる事業計画は、ほぼ例外なく机上の空論となる 計画通りに事が運ぶのは、事業が軌道に乗り経営者としての経験値が豊富になってからです。


6.誰かと共同創業したなら、数年以内にほぼ喧嘩別れする 共同創業の際、株比率は50:50ではなく、必ず一方が過半数を持っていなければ、意見が折り合わず、重要な意思決定がスムーズにできず事業が進まなくなります。


7.資金難は必ずやってくる 余程の優れたメンターやブレーンがいない限り、どんな会社でも資金難は例外なく発生します。その際、借金をしてでも会社を潰さないようにする覚悟と準備が必要です。 また、日頃から財務をしっかり整えておかないと、いざという時銀行から貸してもらえません。


8.理不尽な出来事が山ほど起こる 組織の長であるがゆえの様々な理不尽な出来事が身に降りかかります。 回避方法は勉強と経験で学ぶほかありません。


9.採用に失敗し、会社が崩壊しかける 経営者の「人を雇いたい」という一心が目を曇らせ、問題のある社員を採用し会社が一度や二度崩壊しかけます。独断で決めず、眼力を持った優秀なブレーンやメンターに相談すると吉です。


10.人に裏切られる 創業経営者であれば、ほぼ例外なく人に裏切られた経験があります。それぐらい人の裏切りは常に隣り合わせです。そんな時でも「あの人と組まなければ良かった」という後悔ではなく「100%自己責任」と一身に引き受け、内省を重ねることで眼力や経営者としての器が養われます。 私の場合「もし裏切られても "しょうがない" と思える人」が採用基準の1つです。


11.財・税務で失敗する 財・税務は会社の心臓といっても過言ではありません。 相談しやすい優れた税理士を顧問に据えられるかどうかで、会社の成長が大きく左右されます。


12.法務で失敗する 契約内容が一方的に損する内容だった、事業がそもそも適法でなかったなど、創業時に軽視されがちな法務ですが、その代償は計り知れません。 法務は自社だけでなく、時に取引先をも守る肝心要の砦。いつでも相談できる優れた弁護士をブレーンに据えておくことも重要だと言えます。


13.急拡大で失敗する 経営者としての経験値が浅いうちに急拡大しようとすると、ほぼ例外なく失敗します。 じっくり着実に、社長力を磨きながら身の丈に合った会社成長を目指すべきです。


14.小成功にあぐらをかいて失敗する 小成功を過大評価し、財布の紐が緩んだり、経営者が現場を見なくなり経営状態が悪化する会社も多いです。具体的には、年商10億円を超えたあたりからこのようになる経営者の方が多いです。


15.様々な誘惑に釣られ失敗する 経営者として外の活動(外遊・会食・講演・メディア出演など)に腐心していると、美味い話が日常的に舞い込んできますが、そのほとんどが嘘かハッタリ、盛り話です。時代の寵児となり散々もてはやされた挙句、経営が悪化あるいは倒産した会社も多数存在します。 経営者は外の活動よりも、内の活動(自社・社員と向き合うこと)に多くの熱を注ぐべきです。




長くなりましたが、これらをご覧頂いて「自分には無理だな...」と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。反対に「自分ならやれる」と感じた方は、起業して成功できるポテンシャルがあります。

当然、これらを乗り越え成功することができれば、無限大のリターンを得られます。


これらを押さえていただくだけでも、失敗の確率・度合いはかなり軽減されると思います。

兎にも角にも、良いこと悪いことも全て前向きに捉える精神、松下幸之助さんも述べた「商人に好況・不況もない(いずれの時も利益を上げなければならない)」という自覚を持って、常に自社と取引先と向き合い続けることができれば、何も難しいことはありません。


ご自身が独立起業すべきかどうか、これらのリスクと照らし合わせ、真剣に考えてみてください!


筆者:村田真生

HOSHINE(株)代表取締役社長、動画戦略コンサルタント。

ミュージカル俳優、作曲家、総合人材サービスAdeccoを経て25歳でHOSHINEを創業。

動画マーケティングを中心とするコンサルタントとして公共機関、大手・中小企業など累計200社を超えるクライアントを最前線で支援。中小企業数社の社外マーケティング・ディレクターも務める。

岡山県出身。趣味は読書、ピアノ、お笑い、囲碁(七段)。