- 村田真生
中退した半母校の夢を探る...岡山城東高校

村田です。
長年の悩み...というより、不思議な現象だなと感じていることがあります。
高校を中退して早14年の月日が経ちましたが、いまだに1ヶ月に2〜3度、高校絡みの夢を見ます。
在籍期間わずか4ヶ月程度でしたが、14年経った今でも夢に出てくるのは「未練」なのか「高校3年間の青春を駆けきり、卒業⇒大学へ進学した場合の人生(今)」を見てみたかったのか、自分でも確実な答えは分かりません。
この夢を見るたび、いつもなんとも言えない不思議な感覚になります。
私が通っていた高校は、岡山県立岡山城東高等学校(以下「岡山城東高校」)。
岡山では県立のほうが進学が難しく、岡山城東高校は県内でもトップ3に入る優秀な高校。
当時あった科は記憶の彼方に飛んでしましましたが、現在は人文社会学類、国際教養学類、音楽学類、理数学類の4つに分かれていて、私は音楽学類(当時「普通科音楽系」)で入学しました。
そもそも県内でも優秀かつ生真面目な勉強一辺倒ではない「文武両道・主体性重視」の相当人気な高校だっただけに、中学生時代に中位の学力だった私は、担任の教師や進学塾の体験時に「絶対に無理!」と言われたほどでした...笑
しかし、音楽学類は音楽のスキルに突出していれば良いことは分かっていたので、県の音楽コンクール(岡山学生音楽コンクール)声楽部門で一位を獲れたことで入学することができました。
中学生時代は周りの生徒とまったく会話や相性があわず、いつも教室で独り読書をする退屈なスクールライフでしたが、岡山城東高校は聡明で協調性のある生徒が多く、陰キャ(性格的に大人しい)だった私でも打って変わって楽しいスクールライフに変わりました。
このとき私は「自分の身を置く環境」が人生をいかに左右するかを体感しました。
さて、そんな楽しいスクールライフも、4ヶ月目の夏休みに転機が訪れます。
中学生時代に出演した岡山市民ミュージカルでお世話になった音楽家のツテで、都内のミュージカル系の芸能事務所の体験レッスンを受け、その場でスカウトされたんです。
私はそれまでの人生プランとして、岡山城東高校を卒業⇒東京芸術大学を卒業⇒劇団四季で看板俳優⇒東宝などで活躍というプロセスを描いていました。
しかし、体験レッスン直後に事務所の社長と看板俳優から戴いた言葉が私の人生を大きく変えます。
「君のプランは立派だ。でも、君には今すぐ現場に立てる力がある。だから、同世代よりも一早く現場に入って実践経験を積んだほうが、何倍も成長できるよ。」
こんなにも楽しい高校生活をこんなに早く終え、同級生とも別れることに戸惑いはありましたが、手を伸ばせば夢が叶うところまで既にきていることに気付いた私は、岡山に戻った後、親の承諾を得て上京することを決めました。
その後の展開については紆余曲折、プロフィールなどでも紹介しているので割愛しますが、結果論ではありますがハッキリと言えることは、もしあのまま岡山城東高校を卒業し、当時自分で描いていた人生プラン通りに進んでいたとしたら、コロナ禍において今は無職か、あるいは30歳にして相当辛い社会的ポジションにいるだろうということです。
言わずもがな、現在エンターテインメント(特に舞台)の世界は壊滅的状況だからです。
※たとえ経済的に困窮していても「幸せ」である可能性は十分にあります。
なので、現時点から振り返れば、あの時の決断とその後の実践人生は「良かった」と断言できるので、高校絡みの夢を未だに見続ける原因としては「当時の人生プラン通りに進んだ場合の人生を見てみたかった」というよりは「夢のような楽しい高校生活が突然消えた」ということへの心残り・未練というのが一番大きいのかもしれません。
であれば、この夢は一生涯見続けることになるかもしれないですね...。
以上を踏まえて、もし今回の記事を高校生あるいは中学生にご覧頂いているとしたら、ぜひ早いうちに知っていただきたいことがあります。
もしあのまま、幸せな楽しい高校3年間を過ごし、大学へ進学して社会に出ていくという王道パターンを進んでいたら、今の私はきっと無職でした。
つまり、どんな選択が幸せに繋がるのかというのは、誰にも分かりません。「一般常識」で導き出せるものでもありません。
しかし、(何かの夢・目標に向かって行動していると)誰しもに突如目の前に現れる「幸運の女神」の後ろ髪を掴めるか掴めないかで、その後の人生が大きく変わることは間違いありません。
そもそも幸運の女神に気付けるかどうかは、夢・目標があるかないかで決まります。夢・目標があると、それを叶えるために普通は読まないような本を読んでみたり、その道のプロに出会った際に話に引き込まれたりして、可能性がどんどん広がっていくからです。
なので「夢・目標なんて持たなくて良い」という論者もいますが、そんな風に場当たり的に生きている人には、幸運の女神の存在に気づくことは絶対にできないでしょう。
また、人類のたった過去100年の歴史を見るだけでも分かりますが、世の中全体、何が起こるかは誰にも分かりません。その時その時に起こる事象・結果だけで幸運か不幸かを判断するのは大変早計であり愚行だと思います。
囲碁のように大局観をもって、今そこに手を打つ理由を考え「幸運の種まき」を重ねてほしいです。
一見その行動は他人から見ると愚かでおかしな行動に思えるかもしれません。しかし、長期的な戦略と着実な努力(行動)を積み重ねていくと、どこかのタイミングで「あの時」に打った手が、連鎖的に、感動的な効果を発揮する時がやってきます。
夢や目標を叶える上で、そのプロセスは本当に必要か、自分だけのブルーオーシャンはないか、ということを執念深く考え抜くことで、最初の数年は地べたを這いつくばるような経験をしたとしても、10年後、20年後に一気に同世代が追いつけないところまで成長できるはずです。
と・・・つたない持論を振りかざしてしまいましたが、前半にも述べたように「自分が身を置く環境」はとても大事です。
そういった意味でも、岡山城東高校での4ヶ月間は、私にとって切っても切り離せないかけがえのない思い出。記事を書いていて整理がつきましたが、この夢は、生涯背負っていこうと改めて思いました。
筆者:村田真生
HOSHINE(株)代表取締役社長、動画戦略コンサルタント。
ミュージカル俳優、作曲家、総合人材サービスAdeccoを経て25歳でHOSHINEを創業。
動画マーケティングを中心とするコンサルタントとして公共機関、大手・中小企業など累計200社を超えるクライアントを最前線で支援。中小企業数社の社外マーケティング・ディレクターも務める。
岡山県出身。趣味は読書、ピアノ、お笑い、囲碁(七段)。